
「COBOLエンジニアの需要っていつまで続くの?」
「メインフレームは使われなくなっちゃうの?」
現役COBOLエンジニアである筆者自身も、何度も上記のように不安になり考えたことがあります。
同じCOBOLエンジニアの方も、同じ不安を抱かれているのではないでしょうか。
筆者が現場で体感したことや、市場全体の流れもふまえた結論として、COBOLの重要性やCOBOLを扱えるエンジニアの重要性は今後も変わることはないと考えています。
本記事では、COBOLエンジニアの市場価値はいつまで続くのか、そして今後10年の需要はどうなっていくのかについて、詳しくご紹介していきます。
・COBOLエンジニアの市場価値は継続していくのか
・COBOLエンジニアの今後10年間の需要
・COBOLエンジニアのキャリア戦略
COBOLエンジニアの市場価値はいつまで続くのか?
2025年現在、COBOLエンジニアの需要は急激に高まっていると言われています。
エンジニアの需要や、COBOL言語自体の今後の需要もどうなっていくのでしょうか。
この章では、COBOLエンジニアの市場価値はいつまで続くのか?について詳しくご紹介していきます。
COBOLの重要性は今後も変わらない
COBOLは現在、官公庁システムや金融システムで重要な役割を担っています。
官公庁システムや金融系システムでは、演算処理や安定性が他システムよりもより強く求められるため、現在でもメインフレーム(COBOL)が使用されています。
このような業界は安易にシステム移行ができないので、現状維持が続くことになるでしょう。つまり、こういった業界ではCOBOLの需要が残り続ける可能性が、非常に高いということになります。
このことから、COBOLの重要性やCOBOLを扱えるエンジニアの重要性は、今後も変わることはないと考えられます。
主要業界でのCOBOLエンジニア需要
上記で、官公庁システムや金融系システムなどの主要業界では、システム移行が難しいことからCOBOLエンジニアの重要性は変わらないとお伝えしました。
今後も、社会的に重要な役割を担うCOBOLエンジニアですが、高齢化の波が押し寄せており、大きな問題になっています。
COBOL全盛期である1980年代を支えたベテランエンジニアたちは、定年退職などで続々と引退しています。
COBOLエンジニアの重要性は変わらず、ベテランのエンジニアたちは引退し減少していく。これにより、現役のCOBOLエンジニアの希少性や需要はさらに高まっているのです。
つまり、COBOLを使用したレガシーシステムから、安全に素早く、処理能力も落とさずにシステム移行ができるようになるまでは、引き続き市場価値は高まっていくと考えられます。
今後10年のCOBOLエンジニア需要予測
前の章で、COBOLエンジニアの重要性は変わらず今後も需要は続いていく、とお伝えしてきました。
では、今後10年間に限定すると需要はどのように変化していくのでしょうか。
この章では、今後10年のCOBOLエンジニア需要についてご紹介していきます。
テクノロジーの進化とCOBOLの将来性
近年、IT業界は急激な成長を遂げています。
クラウドサービスやAIなど、新しい技術を活用した新しいサービスが続々と登場しています。
これらのサービスは、COBOLが主に使用されている官公庁システムや金融システムでも数多く利用されるようになってきました。
しかし、重要な基幹システムはCOBOLのまま稼働していることが多いです。
この要因として、膨大な量のデータやプログラミングコードが存在することから、システム移行が安易にできないことが挙げられます。
今後10年間では、システム移行の問題は解消されることはないでしょう。(明らかな新技術革命が起こればわかりませんが、、)
なので、テクノロジーの進化とCOBOLの将来性の観点からは、今後10年間のCOBOL需要は下がることはないと考えられます。
高齢化するCOBOLエンジニア層とその影響
前述したとおり、COBOLエンジニアの高齢化は、業界の中でもかなり大きな問題となっています。
COBOL全盛期の1980年代に活躍されていた、ベテランCOBOLエンジニアの方々は、ここからの10年で確実に引退される年齢になります。
COBOLエンジニア自体の希少性が上がってきていますが、今後10年間はそれがさらに高まり、需要は伸びていくと考えられます。
COBOLエンジニアとしてキャリアを築くための戦略
ここまでで、COBOLエンジニアの需要は今後10年も安定して向上していく、ということがわかったかと思います。
では、COBOLエンジニアの需要が高まっていく中で、どのようなキャリア戦略を描いていけばよいのでしょうか。
この章では、COBOLエンジニアとしてキャリアを築くための戦略について解説していきます。
新たなスキルの習得と資格取得
COBOLエンジニアとしてキャリアを築くために、絶対に必要になってくるのが、新たなスキルの習得になります。
今後も安定した需要が見込めるCOBOLエンジニアですが、ただCOBOL開発ができるだけでは、キャリアアップをしていくことは難しいでしょう。
COBOLが使用されている業界の流れとして、完全にシステム移行できないとはいえ、少しずつクラウド化やオープン化が進んでいくと考えられます。
そういったプロジェクトが開始したタイミングで、クラウドやオープン系言語の知識があると、キャリアアップにつなげることができます。
具体的には、AWS関連資格やsalesforce関連資格、Java関連資格などを取得しておくと、自身の配置転換や案件獲得につながり、キャリアアップの足掛かりになります。上記のようなプロジェクトが走り始める前に、しっかりと準備しておきましょう。
一点注意しておきたいのは、資格だけで業務能力が向上するわけではないので、あくまでもキャリアアップの足掛かりとして考えるようにしましょう。

フリーランスと企業勤務の違い
COBOLエンジニアとして、フリーランスに転向するというキャリアも考えられます。
多くのCOBOLエンジニアは企業に属し、COBOLシステムに携わっています。しかし、COBOLはフリーランスの案件もかなり存在しています。
今後の需要から考えると、一定の経験を積んだCOBOLエンジニアであれば高単価で案件を受注できるでしょう。
逆に、COBOL案件特有ですが、経験が一定以上ないと全く案件獲得ができない傾向が強いので、COBOLフリーランスを目指すのであれば、一定の経験を積んでからにしましょう。
今後も、COBOLからクラウド化やオープン化の案件が増加することが考えられるので、ベテランCOBOLエンジニアの方であれば、フリーランスにキャリアを進めることも良い選択肢と言えるでしょう。
まとめ
本記事では、COBOLエンジニアの市場価値はいつまで続くのか、そして今後10年の需要はどうなっていくのかについて、ご紹介してきました。
近年の状況から見て、COBOLを扱うことのできるエンジニアは、今後10年間ほど引き続き需要があるのではないかと考えられます。
しかし、IT業界は他の業界と比較しても特に変化の激しい業界になります。
今後のキャリアのことを考えても、新たなスキルの習得は必須になることは間違いありません。
