COBOLエンジニアは転職できない?COBOL転職経験者が難易度について解説!

「COBOLエンジニアは転職できない?」

COBOLエンジニアであれば、だれしも一度は感じたことがある悩みですよね。

COBOLはレガシー言語と呼ばれており、市場規模が縮小していることも影響して、同じ悩みや不安を抱えているCOBOLエンジニアは非常に多いです。

私はCOBOLエンジニアとして、実際にCOBOLのスキルを使った転職活動の経験があります。
COBOLエンジニアでも転職はできる!ということを、この記事を通してお伝えしていきます。

この記事を読むことで、「COBOL転職はできない?」という不安が解消し、COBOLスキルで転職するための流れを理解することができます!
記事の後半では、COBOLスキルで転職活動をした実際の体験もまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。

この記事を読んでわかること!

・COBOLエンジニアは転職できないと言われる理由について
・COBOLエンジニアが転職するために必要なスキル
・COBOL転職を実際に体験した流れについて

目次

COBOLエンジニアは転職できないと言われる理由

「COBOLエンジニアは転職できない」と不安に思われているエンジニアの方は非常に多いのではないでしょうか。

この章では、COBOLエンジニアは転職できないと言われる理由について解説していきます。

メインフレーム市場の縮小

COBOLエンジニアが転職できないと言われる最大の理由は、メインフレーム市場の規模が縮小していることが挙げられます。

メインフレーム市場の全盛期は、1980年代と言われています。
そこから半世紀にわたり活躍しているメインフレームですが、全盛期に比べると現在の稼働台数は10分の1にまで減少しているという調査もあります。

メインフレームの中でも国内トップクラスのシェアを誇っていた富士通も2030年に生産終了、2035年にはサービス終了することを発表しています。
こういった大手の事業撤退も、COBOLエンジニアが転職できないという印象を与えています。

メインフレーム市場縮小の理由としては、オープン系システム開発が一般化したことが理由に挙げられます。
開発効率がよく、汎用性も高いオープン系言語に、徐々に市場のシェアを奪われていきました。

しかし、市場規模が縮小していても、大規模なデータを取り扱ったり、高度な演算処理を必要とする業界では根強く残り続けていることも事実です。
市場規模が縮小していても、COBOLエンジニアが転職できないという理由にはなりません。むしろ今後10年は、オープン系言語へのマイグレーション案件が活発化するので、転職しやすくなると考えられます。

COBOLエンジニアの転職先が少ない

COBOLエンジニアが転職できないと言われる二つ目の理由は、転職先が少ないと思われていることが挙げられます。

COBOLエンジニアの転職では、当然COBOLのスキルが役に立つ転職先を探すことが多くなります。
前述したとおり、COBOLの市場規模は縮小しています。
このことから、転職先自体も減少しているのではないかという印象が強くなってしまっていると考えられます。

しかし、実際にはかなりの数の求人が各求人サイトに掲載されています。
参考:各求人サイトの求人数比較

他の言語と比較すると数は少ないですが、大手から中小企業まで、年収も1000万オーバーまで幅広いのが特徴になります。

COBOLエンジニアの転職先は確実に存在しています。今後10年間は他言語へのマイグレーション案件で需要はさらに高まり、求人数も安定していくと考えられます。

COBOLエンジニアに需要はある?

COBOLエンジニアは転職できないと言われることが多いですが、COBOLエンジニアには確実に需要は存在しています

COBOLやメインフレームの市場規模自体は縮小していますが、COBOLエンジニアの需要が極端に減っているというわけではありません。

この章では、そんなCOBOLエンジニアの需要について解説していきます。

COBOLエンジニアの需要

COBOLエンジニアの需要は、下記の理由から2025年現在も根強く残り続けています。

  • メインフレームの高い演算性能
  • 業界の特性上オープン系システムに移行しにくい

メインフレーム上でCOBOLを使用して稼働しているシステムは、金融業界や官公庁、運送業などの業界がかなりの割合を占めています。

膨大なデータを扱い、大量の計算処理を必要とする業界では、高い演算処理能力を有しているメインフレームがよく利用されているのです。

また、上記のように膨大なデータや処理を必要とする業界なので、システムマイグレーション(システム移行)がやりにくいという事実も存在しています。
マイグレーションできないということは、メインフレーム事業が残り続けることになり、COBOLエンジニアの需要も残り続けていくと考えられます。

COBOLエンジニアに将来性はあるのか

COBOLエンジニアに将来性はあるの?という疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。

結論として、将来性はあります!

前述したとおり、今後もメインフレームの需要は残り続けていきます。
メインフレームの需要が残り続けるかぎり、COBOLエンジニアの仕事がなくなることはないでしょう。

詳しくは下記の記事にまとめていますのでご参考までに。

COBOLエンジニアの求人数

COBOLエンジニアの需要を考えるうえで、求人数は非常に重要な指標になります。
doda、求人ボックス、マイナビ転職に関して、他言語との比較を見ていきましょう。

言語求人サイト求人数報酬相場
COBOLdoda約1,200件年収600~1500万円
求人ボックス約1,900件
マイナビ転職約1,300件
Javadoda約16,000件年収400~1500万円
求人ボックス約14,500件
マイナビ転職約13,000件
Pythondoda約9,400件年収400~1500万円
求人ボックス約10,000件
マイナビ転職約8,000件

やはり、他言語に比べるとCOBOLの求人数は少ないという結果になっています。

しかし、COBOL単体で見ると、1000~2000件の求人が掲載されていました。
転職活動をするうえで、一人のエンジニアが見ることのできる企業数は確実に超えているので、求人探しに困ることはないと言えるでしょう。

また、COBOLエンジニアは平均年齢が高いこともあり、年収も高額になっており、転職によって収入がアップする可能性も高いですね。

COBOLスキルだけでは転職できない?

COBOLエンジニアが転職を考えたときに、COBOLスキルだけで転職できるのか?という疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。
実際に筆者も転職活動の際に、COBOL以外のスキルを学んでから転職活動をするべきなのか、かなり悩んだことがありました。

結論としては、COBOLスキルだけでも十分転職可能だが、他スキルを学ぶことでキャリアの幅が広がる!です。

前述したとおり、各求人サイトでCOBOLだけの求人が1000件以上存在しています。
COBOLのスキルだけでも十分に転職活動できることがわかります。

しかし、他スキルを組み合わせることで、求人数や選択できる業界の幅がかなり広がります。
COBOLが多く使用されている業界では、クラウド化が進んでいたり、オープン系へのマイグレーション案件も多数存在しています。
そういった求人に対応できるスキルがあると、採用率をかなり向上させることができます。

COBOLエンジニアの転職に必要なスキル

前述したとおり、COBOLエンジニアはCOBOLスキルだけで転職は十分可能です。

しかし、IT業界の今後の動向も考えて新しい技術を学んでいくことは、非常に大切になってきます。

この章では、COBOLエンジニアの転職に必要なスキルについて詳しく見ていきましょう。

COBOL以外のプログラミング言語の知識

COBOL以外のプログラミング言語の知識を学ぶことは、今後のキャリア形成において、最も重要になってくるでしょう。

COBOLだけでももちろん転職することは可能です。
しかし、他言語を学ぶことで、転職先の業界選択の幅や、関わることのできる案件が大きく変わってきます。
昨今、進化の著しいIT業界の動向を考えても、新しい技術を学んでおくことは重要になるでしょう。

詳しくは下記の記事でご紹介しているので参考にしてみてください。

金融や官公庁業務の業務知識

COBOL転職では、特定の業界の業務知識もかなり重要視されます。
COBOLが多く使用されている業界として、主に下記が挙げられます。

  • 金融業界
  • 官公庁
  • 運送業

上記のような業界の業務知識があることで、他のの応募者よりも、一歩有利に転職活動を進めることができます。
企業側からすると、業務知識を一から教育する必要のないエンジニアを採用して、少しでも早く戦力になってほしいと考えているからです。

上記のような業界で働かれている方は、同業界を転職候補の一つにするのがよいでしょう。

マネジメントスキル

COBOL転職を進めるうえで、マネジメントスキルはかなり有効です。

COBOLの求人を出している企業は、プロジェクトマネージャーを募集している確率がかなり高いからです。

COBOLエンジニア不足で、開発者が足りていないことはもちろんですが、開発者をマネジメントできるスキルを持ったエンジニアは、さらに足りていないのです。
求人の種類を確認するとそれは明らかですね。

さらに、マネジメントスキルを身に着けることで、COBOL案件だけではなくクラウド関連やマイグレーション案件でも、マネジメントの部分で案件に携わることができます。

マネジメントスキルはキャリア形成にも大きく役に立ちます。ぜひ積極的にマネジメントスキルについて勉強してみてください。

COBOLエンジニアの転職に役立つ資格

COBOL転職において、資格を所有していることが有効に働く場面も多いです。

意外に感じられる方も多いかもしれないですが、COBOLを使用したシステムに関連した資格や、情報系の技術を条件にしている求人も実際に存在しています。

この章では、COBOLエンジニアの転職に役立つ資格について詳しく解説していきます。

情報処理系の資格

IT系の資格として最初に挙げられるのが、情報処理系の資格です。

試験の種類としては、基本情報技術者試験応用情報技術者試験などがあります。

オープン系のエンジニアの募集であれば、情報処理系の資格は有利にならないことが多いです。
しかし、COBOL転職においては重要視する企業も多く、資格を持っておいて損はないでしょう。

特に、官公庁システムを扱っている企業では、官公庁の顧客が資格の有無を気にすることがあり、求人の条件になっている場合が多いです。

クラウド関連資格

クラウド系の資格もCOBOL転職において重要になります。

具体的には、AmazonのAWSMicrosoftのazureなどが代表例として挙げられます。

COBOLが使用されている業界では、メインフレームと併用でクラウド化が進められている場合がかなり多いです。
クラウドシステム開発も行っている企業の求人の場合、クラウド関連資格があると採用担当者に好印象を与えることができます。

また、今後のメインフレーム事業のことを考えても、クラウド化がさらに進むことが予想されますので、クラウド関連の知識を習得するという意味でも、資格を取っておいた方がいいでしょう。

COBOL転職を実際に体験した感想

ここまで、COBOLの転職について述べてきましたが、筆者自身もCOBOLエンジニアとして、転職活動の経験があります。

この章では、実際に転職活動を行った経験をもとに、COBOLエンジニアの転職の流れについてご紹介していきます。

COBOL転職の流れ

STEP
自己分析

まず最初に、自分が今までどのような業務に携わってきたのか、具体的にどんなスキルを持っているのかについの棚卸を行います。

特にCOBOLエンジニアの方で、「COBOLしかできない、、」と不安を抱えている方も多いと思います。
ですが、実際にはJCLなどの周辺知識や、携わっている業界の知識など、様々な経験をされているはずです。

まずは、自分の武器をしっかりと把握していくことから始めましょう。

STEP
求人情報確認

次に、COBOLエンジニアの求人情報について、詳しく確認していきましょう。

最終的には転職エージェントに相談しますが、どのような求人があるかなど、気になることについて調べておきましょう。
(この時点で応募する必要はありません。)

STEP
転職エージェント探し

次に、転職エージェントを探していきます。

COBOLエンジニアの転職として、IT業界に強い転職エージェントを選ぶのがよいでしょう。
COBOL案件となると、求人条件に専門用語が指定されている場合もあるので、IT業界に詳しいエージェントを選んでおいた方が安心です。

STEP
書類作成・面接

次に、書類作成と面接になります。

ここは一人で進めることはかなり難しいので、転職エージェントに相談して、添削や面接練習をしっかりと行いましょう。

事前準備をしっかりと行うことができたかが内定に直結しますので、このSTEPは最大限に力を入れて実施しましょう。

STEP
内定

面接を乗り越えれば、あとは内定を待つだけになります。

転職エージェントとしっかりと対策をして挑めば、必ず結果はついてきます。
しんどい期間もありますが、あきらめずに最後までやり切りましょう!

転職エージェントに相談

COBOL転職で特に重要だと感じたのは、「転職エージェントに相談すること」になります。

COBOLエンジニアである筆者も、当初は企業に直接応募することを考えていました。

しかし、「面接や書類などどのように進めればいいの?」や「どのように申し込めばいいの?」などの悩みが増え、一番大事な今後のキャリアについてをまったく考えられなくなってしまいました。

エージェントに相談することで、そういった転職に関する悩みについて細かく質問することができます。
特に、筆者のようなCOBOLエンジニアの方は、転職に対して不安が大きいと思います。
そういった不安も含めてエージェントに相談することで、具体的にどのように進めばいいかが明確になります。

COBOLエンジニアで転職を考えている方は、まずは転職のプロである転職エージェントに相談してみましょう!

まとめ

本記事では、「COBOLエンジニアは転職できない?」という疑問について徹底的に掘り下げてきました。

結論としては、COBOLエンジニアは転職できます。

本記事の中でもあるように、いまだ需要は確実に存在しています。
COBOLスキルだけでももちろん転職できますし、他言語やクラウドスキルなどがあればさらに大幅な給与アップを狙うことも可能です。

「COBOLエンジニアだから転職できない」「COBOLは市場価値がない」というような考えではなく、「COBOLエンジニアでも転職できる!」という自信をもって転職活動という行動に移していきましょう!

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